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話題になったのが「今の家電メーカー製デジタル家電って機能ありすぎてわかんないよね」という話で、先に書いたRSSリーダーの話にも通じる。

まったくもってその通りなんだが、じゃぁ「なぜ・どうしてそうなっちゃったの?」を紐解くと、わりとシュールな要因が浮かんでくる。

ズバリ言ってしまうと既存機能に上乗せする企画は通すのが簡単だし、リスクが少ないからだ。(中略)逆に削ることは、安定した大企業の会社員としてはものすごい勇気がいる。下手すりゃ前モデルで20%あったシェアが5%とかに落ちてしまう可能性も高い(後略)

『機能やボタンが多すぎ!! 使いにくいUIのデジタル家電が発売されてしまう本当の理由』キャズムを超えろ!


 機能を削ることで売れ行きが落ちるのはどういった場合でしょうか。それは恐らく、使用者が必要としていた機能を無くしてしまったときでしょう。削るべきでない機能を削って改悪してしまったわけです。

 それに対して、機能を増やすことが『売れない決定的理由にならない』のは、多少スイッチが増えても使用者は今までの使用方法を維持できるからです。増やした部分については使っても使わなくても構わないわけです。よって、はずれがなく、売れ行きが極端に落ちる要因になることない。そこに安心感を抱いた作り手が数打てば当たる戦略で機能を増やしたことが、今の複雑なUIを作った一因かも知れません。

 こういった罠にハマらないためには、色々とすべきこと・してはいけないことがあるが、たぶん最も強く意識すべきは「合議制では良いものは作れない」という法則。デザインに関わる人が多ければ多いほど、「いろいろな意見」が寄せられてしまい、「せっかく有意義な意見を出してもらったのだから」と次々に意見を取り入れているうちに、機能だけはたくさんあるけど魂が無くて妙に使いにくいものが出来てしまう。

『"Less is more"なもの作りと合議制と』Life is beautiful


 一人の顧客が使う機能は限られています。その顧客にとって、使わない機能は存在しない方がUIとしてはシンプルで使いやすいものになるでしょう。しかし、その製品の購入者は一人ではないので、作り手は様々な仕様者を想定して製品を作らなければなりません。その結果として、機能がどんどん増えていきます。ですから、機能を減らすためには、作り手が対象とする使用者を絞り込めば良いのです。

 無駄な機能を減らすために必要なのは、作り手を減らして一人のセンスに委ねることではなく、製品ターゲットの絞り込みです。技術が進歩し、従来に比べて様々なことが出来るようになりました。だからこそ、その技術で万人にアピールする商品を作ったら複雑になりすぎるのです。もはや、「何でもできる」は時代遅れで、作り手には「誰が」「何に」使うかを明確に意識することこそが求められています。

 さらに言えば、別に作り手の数が多いからと言って、機能ばかり多くて魂がないものが生まれるとは限りません。明確なターゲットさえ描けていれば、Wiiのようなものだって生まれます。

けれども、Wiiのデザインにおいては、社内の若いデザイナーを集めて、さまざま意見を吸い上げることにしました。もちろん、それでいまの形がすんなり完成したかというとそうではないわけですが……。

『社長が訊く Wii プロジェクト - Vol.1 Wii ハード編』任天堂


 このように、Wiiのデザインには多くの人が携わっていますが、完成品は驚くほどシンプルで個性的です。したがって、デザインに関わる人が多ければ多いほど駄目になるという法則は成立しません。

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